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路傍の晶

第55回

「先見」 高田書房 店主 高田さん

店主の高田さん
店主の高田さん

「書房」と冠してはいるものの、30坪以上ある広い東武練馬の店には、本だけでなく、いま流行りのフィギュアや古いレコードが所狭しと溢れている。高田さんはその理由を、「特徴ある店作りを心掛けた結果」と語る。
「最初は古本に限定して商売を始めました。人口が減るのはデータを見ても明らかだったので、近所に住むひとたちだけでなく、遠くからでも足を運んでもらえる古本屋を目指した。そのためには、『行きたい』と思ってもらえる魅力がなければダメですよね。商品の価値を見極め、売れ筋を把握することが大事になってくる。レコードやフィギュアもその一環で扱うようになったわけです」
東武練馬にあるお店
東武練馬にあるお店
だが、そうはいっても、「つぎはコレが売れる」とはなかなか読めないものだ。その点、高田さんには独特の鋭い嗅覚が備わっているように映る。たとえば6年ほどまえにフィギュアを仕入れ始めたそのきっかけだ。インターネットや携帯電話の普及により、本の売上げが急速に落ち込んだ時代に、しかし玩具関連のホビー誌だけは日に日に厚みを増していたという。さらに注意して動向を窺っていると、そのうち雑誌の種類までもが増えていった。「玩具業界は景気がいいんだな」そんな時流に勘付き、彼はフィギュアを扱うことに決めたというのである。
希少なアイテムも並ぶ店内
希少なアイテムも並ぶ店内
もともと高田さんは、20代のころからペンションの分譲や旅行会社など、さまざまな事業に取り組んできた。だが30歳を過ぎ、当時経営していた会社を畳むと、ゼロからの再出発を余儀なくされる。このとき、「サラリーマンにはなりたくない」という思いで始めたチリ紙交換が古本、すなわちリサイクル業を営む第一歩となった。約6年間で負債を完済し、10万円を元手に店舗を移動しながらの古本業に転身したのは、いまからおよそ19年前のことである。以降、2年目には常設店舗を構え、10年で4軒の店舗を持つまでになった。

現在営む2店舗のうちのひとつ、常盤台に構える店には、多くの利用者が訪れる。年代もののレコードは、アメリカやカナダ、イギリス、ロシアなど、世界中から業者が買い付けに訪れるほどだ。なかにはレコードに詳しい店長に話を聴きたいがために、来店するひともあるという。コレクターには知られた存在なのだ。さらに最近では、陳列したフィギュアが映えるように計算し尽くされたオリジナルの棚や、商品が地震で壊れないよう「ユレカット」という小型の免震装置まで開発した。

ところで、リサイクル業にはオークションを開いて利益をあげる業者も少なくないと聞く。高田書房も一時期はオークションを行なっていた。だが、あるときからやめたのだと、社長はいう。
「店に来てくださるお客さんを大事にしようという方針で始めた仕事。だからいいモノを店で売らずに、オークションで高く売るのは商売人としてよくないと思い直し、それ以来やめました」商売ありきではない。価値を見極める高田さんの先見は、遠く足を運ぶ人々のことを思うが故の才覚のようだ。

取材・文◎隈元大吾

高田書房 東武練馬店
住所:〒179-0081
練馬区北町2-41-4
 
アクセス:東武東上線
東武練馬駅南口より徒歩3分
電話番号:03-3932-4699
営業時間:10:00~翌1:00
定休日:なし