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路傍の晶

第26回

月辰会 活法整体・鍼灸 カジハラ治療院  院長 梶原さん

* 院長の梶原さん *
* 院長の梶原さん *
「腕に力を入れてください」おもむろにそう言われ、拳を握り締める。引っ張られてもビクともしない。「もう一回、引っ張ってみますね」すると、先ほどあれほど頑固に拒んでいた自分の腕が、じわじわと引っ張られてしまう。おなじように力は入れているはずなのに。

「力の入らない状態にこちらから意図的に持っていけば、筋肉が緩むんですよ」笑いながら、梶原さんはタネを明かした。
「力の入った状態では、筋肉は緩まない。では、どうすれば力を逃がすことができるか。引っ張る側、つまり私の手の進入角度を変えることによって、腕の筋肉を緩めたわけです。これが、私の用いる『活法』のやり方です」
* 上石神井にある治療院 *
* 上石神井にある治療院 *
「活法」の歴史は古い。紐解けば、日本古来の武道がもとになっている。たとえば関節を極めるといった、相手を倒す武道家の技から転じ、活法は無理のない動きで関節を広げ、筋肉を緩ませ、骨を動かすという治癒のための技法だ。スピードとタイミングに任せて強引に施すのではなく、相手の体の状態を考慮する、冒頭の例で言えば、いかに進入すれば相手の力がもっとも逃げる状態になるかを計算し、施術するのである。「筋肉の状態を無視すると体が壊れてしまう。活法は相手の力の具合を計算するので失敗はほとんどないし、万が一失敗したとしても治す方法がちゃんとありますからね」と、梶原さんは胸を張った。
* 施術スペース *
* 施術スペース *
そもそも彼が治療に目覚めたのは、自身の体験に拠るところが大きかった。学生時代、肉類と糖分の過多によって皮膚病を患い、ステロイドの世話になった。だがあるとき、ふと疑問を抱く。「薬に頼るのではなく、体の内側から治すことはできないのだろうか」思い立つとすぐに彼は肉類を断ち、菜食と玄米に食事を切り替えた。そして皮膚病は止んだ。

 この出来事をきっかけに、人間の体に対する興味がさらに湧く。自然食品の会社に入り、添加物を一切使わない調味料を扱った。そしてここでもまた、気付くことがあったという。「たとえば私は食事を変えて皮膚病が治ったわけですが、食事自体を変えることのできないひとが結構いるんですよ。それならば食事療法以外に体を治す方法はないかと思って、会社を辞めて鍼灸学校に通い始めたんです」

 時をおなじくして母親や仲間が体を壊したことも、治療に対する興味を増幅させた。彼のなかで「もっとも可能性を感じた」という鍼灸を学び、技を身に付けていく。と同時に整体や気功、エネルギー療法、マクロビオティックなど数多くの講習会に足を運び、治療の引き出しを増やした。活法と出合うのも、講習会でのことだった。

「この仕事が面白くてたまらないんですよ」梶原さんは笑顔を見せる。「患者さんが治るとうれしいし、治療すればそれだけ人間の奥深さを感じる。だからつねに勉強して、精度も早さも高めなければいけない。どんどん上を目指したくなるんです」

 この道に入っておよそ20年が経つ。これまでに、様々なジャンルの研究を重ねた。しかし自分の仕事に満足はない。寸暇を惜しみ、梶原さんはいまも講習会に足を運んでいる。

  取材・文◎隈元大吾
http://www.scn-net.ne.jp/~jps/

月辰会 活法整体・鍼灸
カジハラ治療院 住所: 〒177-0044
練馬区上石神井4-1-10
 
アクセス: 西武新宿線上石神井駅
北口より徒歩1分
 
電話番号:03-3929-7507
受付時間: 月、火、金曜
10:00~22:00
木曜
10:00~18:00
水曜
10:00~17:00
土、日曜
10:00~16:00
定休日:無休、臨時休業有