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路傍の晶

第24回

かわぐち整骨院  院長 川口さん

* 院長の川口さん *
* 院長の川口さん *
幼い頃から、傍らで父の仕事を眺めていた。青森の片田舎で、父は25歳という若さで整骨院を開業した。だがもちろん年端もいかない少年に、親の仕事の道のりなど知る由もなかった。

 川口さんが自身の父とおなじ柔道整復師、すなわち接骨の道に進むことを決意したのは、大学の卒業を控え就職活動に励んでいたころだった。工学部に籍を置く彼は、周りの学生たちと同様に企業の会社案内をかき集め、また会社訪問もした。しかし活動を続ければ続けるほど、釈然としない思いが募る。「自分はサラリーマンに向いていないのではないか」思案し辿り着いたこたえが、父の背を追うことだった。
* 音大前の治療院 *
* 音大前の治療院 *
大学卒業後、彼は上京して3年間、接骨の専門学校に通う。通学は夜間だったため、昼間はカイロプラクティックの治療院で働いた。柔道整復師の資格を得てからもカイロの仕事は続け、以来13年に渡って働いたのち、接骨院に身を移した。「かわぐち整骨院」を江古田で開業したのはそれから3年後、2002年12月のことである。

「腰痛や肩こりは症状としては筋肉が痛むのですが、もとを辿れば姿勢、つまり骨に関係しているんです。体のバランスが崩れることによって、筋肉の痛みが生じる。私はその根本的な原因を治しているわけです」と、川口さんは語る。
骨折や捻挫、打撲、脱臼など、基本的に接骨院と診療は変わらないが、「腰が重い」「肩が凝る」といった、漠然とした症状を訴える患者も近年は多い。
「昔の人に比べ、いまの若い人たちは自分を支える筋力が低下していると感じます。たとえば明治時代の方などは、現代のように乗り物に頼ることなく自分の足で歩いていたため、からだが丈夫。これから若者が歳をとったらどうなるのか、診ていると心配になります。とくにいまはパソコンの時代ですから座る機会が多い。だから肩こりや腰痛が増えているのかもしれません」また武蔵野音楽大学が目と鼻の先にあるため、腱鞘炎を抱えた音大生が駆け込むこともしばしばである。
さらに活動の場は治療院だけに止まらない。「ケアマネージャー」の資格を取得し、週に一度はデイサービスセンターに赴き、リハビリを要する老人のために施術を行っている。「今後はケアマネージャーとしてお年寄りのケアにも重点を置きたい」さまざまな症状を抱える幅広い年代に対し、川口さんは日々、治療を施しながら、活動の幅を広げている。

「治療がうまくいって、患者さんの笑顔が見られたときが一番の喜びです」彼は口元を緩めた。そして、さらに続ける。「父はいまも現役で診療を行なっています。自分の親ながらすごいことだと思う。いつかは父を継ぎたい」開業して4年、これまでにあらゆる症状と相対しながら、次第に活動範囲も広げてきた。見据える先にはつねに、父の背中がある。

  取材・文◎隈元大吾

かわぐち整骨院
住所:〒176-0003
練馬区羽沢1-1-11
アクセス:
西武池袋線 江古田駅北口より徒歩5分
西武有楽町線 新桜台駅4番出口より徒歩7分
電話番号:
03-6763-0852
MAIL: kawaguchiseikotsuin@jcom.home.ne.jp  
診療時間:
平日
8:30~12:30
15:00~20:00
土曜
8:30~12:00
定休日:日曜、祝日