山陰スピリチュアル紀行
塩冶神社~日吉神社
今回はいつもの車で移動ではなく、のんびりと歩いての神社巡りです。
ちょっと寒い日にはなりましたが、心配していた雨もあまり降らず、歩いているうちに体も温まってきました。
歩いていると、車道をまたぐ鳥居を発見!
参道を車道や線路が横切っている神社は幾度か見たことはありますが、鳥居の下を車道が通っているのはさらに珍しいですね。
車の来ない間にささっとくぐらせていただきました。
今回はこちらで宮司さまにお話をお聞きしました。
主祭神は塩冶毘古命(ヤムヤヒコノミコト)・塩冶毘賣命(ヤムヤヒメノミコト)というご夫婦の神様で、二柱の神様が全くの同格としてお祭りされているという全国的にも珍しい神社だそう。
そしてご夫婦の神様がお祭りされていることから、夫婦円満の神様であり家内安全のご利益があるといわれています。
ご祭神のヤムヤヒコは大国主命のお子神様である阿遅鋤高日子根(アヂスキタカヒコネ)のお子神様、つまりお祭りされているのは大国主命の孫神様です。
そのため、こちらの神社のしめ縄は出雲大社と同じように綯(な)い始めが向かって左側になっています。
そのほかヤムヤヒコの荒魂である塩冶毘古麻由彌命(ヤムヤヒコマユミノミコト)・お子神様の焼大刀大穂日子命(ヤキタチオオホヒコノミコト)もなど祭られています
さらに歌舞伎・浄瑠璃などで有名な「仮名手本忠臣蔵」にも登場する地元の武将、塩冶判官髙貞(エンヤハンガンタカサダ)も祭られていて、その関係で歌舞伎役者さんがお参りされることもあるそうです。
ちなみに昔は塩の旧字体である「鹽」の字を使っていて、現在は主に「塩」の字を使っておられるそうですが、社名ののぼりや御朱印は旧字体を使ってあります。
元々はもう少し西よりの場所にあったそうですが、正徳三年の松平宣澄公のおり、現在地に遷座し、社殿を一新したそうです。
正面にある本殿の扉はお正月や新嘗祭など年に4度の祭りの時しか開けられませんが、扉の内側には赤地に葵のご紋が書かれているそうです。機会があれば見てみたいですね。
創建はあまりにも古くてよくわかっていないそうですが、西暦726年には地名として塩冶(『出雲風土記』には「夜牟夜(ヤムヤ)」)の名前が出てくるので、その時代にはあったと思われます。
宮司である花田様はこちらのご出身ではないそうですが、神社と氏子の距離を近づけたいという思いから、広報誌を発行されたり、お祭りで甘酒やポン菓子などをふるまわれたり。
地域とのつながりを大切にされている感じがとてもよく伝わりました。
所在地:島根県出雲市上塩冶町1749-7
私は今回初めてお参りさせていただきましたが、とても趣のある立派な神社でした。
主祭神は大己貴神(オオナムチノカミ)・大山咋神(オオヤマクイノカミ)。
中世のころ、今より北東500Mの辺りに「光雲山仏性寺」という天台宗と真言宗とを兼ねた大寺院があり、それにより山王権現がこの地に勧請されたと推察されるそう。
安永3年(1774年)町内の伊藤善五郎氏により所有地が寄進され、その地に社殿を造営されたのが現在の社地となっています。
明治4年に日吉神社と改称、社殿は1909年(明治42年)に焼け、1913年(大正2年)に新築されたのが現在社で、一町一社の氏神様として町民の信仰が厚く、現在でも「山王さん」と呼ばれ、親しまれているそうです。
境内社も多く、稲荷社・恵比寿社・荒神社・金屋子社などたくさんあり、10月の松尾社のお祭りには市内の酒造会社の方や飲食店組合・ホテルや旅館の方々などたくさんの方が来られるそうです。
鳥居をくぐって右側に神猿の像があります。オオヤマクイノカミは山の神であり、山の守り神とも呼ばれる猿が神の使いとされていたようです。
「さる」という音から「勝る」「魔が去る」と考えられ、勝運の神・魔除けの神とされています。
また、音読みの「えん」という音から、猿が「縁」を運んでくれると考え、商売繁盛や縁結びの神とされているようです。この出雲の地にはぴったりですね~。
ちょうど宮司様もおられたので、予定外にお話もお聞きできました。
大正2年の社殿の再建の際に全国から多数の応募があった奉賛の和歌のうち、選ばれた55首が拝殿内に掲示されていました。中には北島齋孝(きたじまなりのり:北島家七十七代、出雲大社権宮司)氏の読まれた歌も。
ちなみにこちらの宮司様もこの地方の出身ではなく、ご結婚されてこちらにこられたということ。広報誌を発行されたり、地域の方々とのつながりを大切にされている感じが伝わりました。
所在地:島根県出雲市今市町1765
今回は歩いて巡るということで、車の移動ではわかりにくい土地の雰囲気やいつもとは違う目線での景色など楽しめました。
お参りさせていただいた神社も、昔から『今市(日吉神社)弐千・塩冶千五百』と言われるほど氏子の数が多くあり、地域の方に大切にされている様子がわかる神社で、宮司様も積極的に地域の方とかかわりを持とうとしているのがよく伝わり、とても良いなと感じました。
協力:山本 陽子 (社☆ガール)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。